伝統板・第二
松下幸之助 成功の金言365(9月) - 夕刻版
2026/09/01 (Tue) 14:51:14
【 9月1日 】
《一年分返す覚悟》
・
歴史を見ても、われわれ業界の有様を見ても、
なかなかそう勝って兜の緒を締めておらぬ。
三年も景気がいいと必要以上に拡張したりして、
弱体化の原因をつくるようなことをやる。
私はこのあいだも、お得意様にこう言った。
「皆さんは一所懸命やっておられる。ところが、
今年は前途暗澹(あんたん)たるものがある。
そこで皆さんが悩んでおられる。
これは重要な問題だと思う。
さきおととし儲かり、おととし儲かり、
去年も儲かった。
そして、今年も儲ければまことに結構だ。
しかし世の中はそうはいかない。
つまり
《三年も儲かったら、その明けの年も
また儲かるかというと、
なかなかそうは儲かるものじゃない。
三年儲かったから、その一年分を返す。
こういう考えでやるとよろしい。
その肚ができておれば、
この際なにも驚く必要はない。》
一年分返しても、まだ二年分残る。
尺取虫は二寸行って一寸戻る。
これはいいことだ。
三年儲けて、
なお四年目も儲けるというのは、
尺取虫が伸び切って、
あとに戻れなくなったときだ。
これは死ぬときだ。
死ぬほうがいいか、
一年分返して生き残るほうがいいか。
それは、今損するほうがいいに
決まっている。
そして翌年また儲ける、
そのつぎの年また儲けるということを、
この際考えなければならぬ。
そう考えれば、悩みがなくなる。
だから、慌てない。
慌てないから、気を楽に物事ができる。
すると知恵が出るから、
あるいは四年目も続けて儲ける
ということもある。
しかし、それはなかなかむずかしいから、
この際一年分返すという、
尺取虫の覚悟でやらなければいけません」
『仕事の夢暮しの夢』
<感謝合掌 令和8年9月1日 頓首再拝>